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第二章
   

「トントントン」台所の方から何かを作っている音がする。 匂いは、しない。
誰も見ていないテレビからは、ニュースを読み上げているアナウンサーの声がする。多分1チャンネルだろう。
ここはリビング。谷山家の中で一番大きい部屋だ。
テレビのすぐ隣に、電話がある。悟は電話の前に突っ立って、受話器からなる、「ツーツーツー」という音を聞きながらカレンダ
ーの上にある時計を見ていた。
時計の針は、約9時42分を指していた。
悟は台所にいる母の方に向かって、
「母さん、今から・・・・」と言いかけた時だ。
「今から実君と遊ぶんでしょ。お昼代は、そこにあるサイフから600円持っていっていいわよ。朝ゴハンは、テーブルの上にサ
ンドイッチあるからね。」
悟は11年生きて来た中で一番ビックリした。なんていったって、生まれて初めて心を見透かされたからだ。
「ほら、早く準備して行かないと実君待たせちゃうわよ。」
「う、うん」悟は動揺しながら走って見事に転んだ。
「イテテ・・」
痛みをこらえながら悟は自分の部屋へ行き、寝巻きを着替えた。

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